イタリア農業連盟(CIA)では、日伊経済連合会(JIEF)の協力により、日本の全国農業協同組合連合会ことJA全農のミッション団をローマで迎え、日伊の農業について情報交換を行いました。
農業の持続可能性と生産性の発展にとって、気候変動への影響を抑えることや気候への適応はイタリアの農業だけでなく国際レベルでの難しいテーマとなっています。また、自然災害や地政学的問題と直結する現代の農業は、紛争地域をはるかに超えて経済・貿易を脅かす緊張にもさらされています。
イタリア農業連盟(CIA)のクリスティアーノ・フィーニ会長は、異常気象や生産コストの増加などの課題だけでなく、イタリア農業のシステムや強みなどについて情報が共有できるこのような機会は非常に重要だと、JA全農ミッション団の皆さんを歓迎しました。
会議では、イタリア農業連盟(CIA)国際局長のクリスティーナ・キリコ氏、農業経済を専門とするイヴァン・ナルドーネ氏、フランチェスコ・カステルッチョ氏より、新たに市場や技術面で対応が必要とされる価格の変動から、天然資源・土壌・水の保護、自然リスクの管理、環境への負荷が低く生物多様性を保護するための生産などイタリア農業の市場やシステムの現況について詳しく説明がありました。
日伊経済連合会(JIEF)のダニエレ・ディサント会長は、今回紹介された内容以外にも、自然災害の増加や、少子高齢化による労働人口の減少、新しい世代への農業の承継など日伊の農業界の抱える共通の課題は多くあり、このような交流機会の創設に今後も協力していきたいと表明しました。
また、フィーニ会長は、Made in Italy製品の競争力を強化し、農家の収入力向上、農家の世代交代、そして世界の食糧安全保障を守るためには、生産者自身同士が経験値を共有し反映させていくことが非常に大きな意義を持つとし、今後COP28やイタリアが議長国である次回のG7などの国際イベントなどの機会に、イタリア農業連盟(CIA)とJA全農において、新しい持続可能な農業技術やイノベーションの分野などでのノウハウの共有の交流を継続できるよう協力したいと述べました。