日伊フォーラム2023(2024年1月19日)

日伊経済連合会が主催する「日伊フォーラム」を、イタリア上院議会後援、CREAイタリア国立農業研究・農業経済調査機構とCIAイタリア農業連盟との共催にてローマで開催いたしました。

日伊間の政治・経済・文化交流を目的とする日伊経済連合会は、2024年1月19日、ローマにおいて第11回目の年次会議となる「日伊フォーラム」を、イタリア上院の後援とイタリア上院第9委員会の特別協力のもと、イタリア国立農業研究・農業経済調査機構(CREA)イタリア農業連盟(CIA)との共催にて、開催いたしました。

フォーラムの開催にあたり、イタリア上院第9委員会(工業、商業、観光、農業、アグリフード)委員会Luca De Carlo委員長は、「我々政府が取り組んできた新しいゲノム編集技術による進化支援植物(TEA)、土壌を守る事、カーボンクレジット、若手の農家育成と世代更新など、農業の将来にとって重要な問題についての議論やベストプラクティスを国際レベルで交換することは、新たな刺激や有益な取組みの前進の可能性を高め、我々の農業をより良くし、農家の幸福度を高め、地球という人類共通の家を守ることにつながる。日伊フォーラムのような機会は、9月にシチリア島シラク―サで行われるG7農業大臣会合を視野に入れても、重要な役割を持つ。」と挨拶しました。

5年ぶりでのローマでの開催となった日伊フォーラムは、食料安全保障、気候変動、環境保護、地政学的問題、世代交代といった日伊の共通課題を抱える農業がテーマとなりました。

主催者である日伊経済連合会Daniele Di Santo会長は、「今日の不安定な世界情勢において、食料安全保障の根本を保証する農業システムを備えることは、地理的に離れていても共通点の多い社会・経済的システムを持つ日伊両国の政治的優先事項となっている。」とし、これまでの取組や農業分野における日伊協力への期待などをイタリア国立農業研究農業経済調査機構(CREA)Mario Pezzotti理事長、イタリア農業連盟(CIA)Cristiano Fini会長滝波宏文農林水産委員長(参議院)、鬼木誠防衛副大臣、Gianluigi Benedetti在日イタリア大使、在イタリア日本国大使館大塚建吾公使、イタリア東洋商工会議所Antonio Barile会頭が述べました。

イタリア農業連盟(CIA)のCristiano Fini会長は、「日伊の通商関係は第一次産業において強力で、現在、イタリアの農産物輸出の20%は日本市場向けである。日本とイタリアが世界で最も高齢な人口を持つことは言うまでもなく、農業生産への気候変動の影響から、農地減少と、両国の農業システムには多くの共通の課題があり、二国間協力を強化することは戦略的である。若い世代に農業の魅力を伝えるため、専門知識の付与、デジタル化、研究などに重点を置く革新的なソリューションの共有に期待する。」と意欲を表しました。

滝波宏文農林水産委員長(参議院)は、「日本では食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することを目指し、化学農薬や化学肥料の使用量の低減、有機農業の取組面積の拡大等について、2050年を目標年次として取り組む「みどりの食料システム戦略」を2021年5月に策定した。また世界的な混乱の中、日本の宮崎県で開催されたG7農業大臣会合に引き続き、今年はイタリアが議長国となり、G7各国が一致団結して課題解決に向かうことを期待している。」と表明しました。

また、会合内では、日伊での取り組みのプレゼンテーションが日伊のセット形式で実施され、農業生産向上が期待される植物の改良への研究実績として、イタリア国立農業研究農業経済調査機構(CREA)のMario Pezzotti理事長は、新しいゲノム編集技術による進化支援技術(TEA)と呼ばれる遺伝子改良について、日本はこの技術により栄養価の高められたトマトを市場に出した最初の国であるとし、イタリアでは領土の多様性を保護し生産性を向上させることを目的にCREAが基幹となり研究・試験が行われており同時に消費者への普及活動も重要であると説明し、熊本県農業研究センター吉田麻里子氏は、県下で品種改良によりもたらされた収益の飛躍的な増加の事例を紹介しました。

日伊の農業の状況の比較においては、イタリア農業連盟(CIA)Cristiano Fini会長と、JA全中青壮年農業者連盟稲村政崇会長が、気候変動への対応、生産コスト増加による経済的持続可能性への不安、農村部活性化や若手農家育成のためのスマート農業やデジタル技術など、農業事業者の付加価値の向上を目指す国際レベルでの交流の重要性が再確認されました。(両会長が代表する農業事業者団体は、本会合後に第2部として、若手農家が直接ディスカッションを行い、意見を交わしました。)

イタリア国立農業研究農業経済調査機構(CREA)農業環境センター所長Giuseppe Corti博士と、国際土壌科学連合・前会長(2017-2022) で愛知大学名誉教授・京都大学名誉教授である小﨑隆博士は、土壌・植物栄養学(肥料学)を通じた農業生産性の向上と環境負荷の低減を目指す国際土壌科学連合(The International Union of Soil Sciences, IUSS)における国際協力について、日本(米の100%自給)とイタリア(EU最大の水田面積)という土壌科学の世界のリーダー国として、様々な領域で幅広い連携強化により、経済発展と食料と環境の安全保障に寄与していく抱負が語られました。

日伊経済連合会の田中雅敏副会長は、「農業は決して労働集約ではなく知識集約で、その付加価値を高め競争力をつけていくことは必ずできる。日本とイタリアが協力することによって、近く100億に達する世界人口を支え、付加価値による高い収益を付け、農家そのものも持続していく、そのような取組につなげていくことができれば」と、「日伊経済連合会として、両国の団体、自治体、企業等と協力し、G7や2025年大阪万博も視野に入れ、相互交流やビジネス支援の新たな機会を創出できるよう取り組みたい。」と、日伊フォーラムの第1部を締めくくりました。

第2部では、日伊の農業の未来を担う両国の青年農家グループが対面し、事業付加価値を高めるためのイタリアの取組を紹介するセミナーと、農業分野における振興と持続可能化のための情報を交換するディスカッションを行いました。

名称 日伊フォーラム
日時 2024年1月19日(金)
会場 第1部 CREA イタリア国立農業研究・農業経済調査機構(Via della Navicella, 2 ROMA)/ 第2部 CIAイタリア農業連盟(Via Mariano Fortuny, 20 – 00196 Roma)
主催 日伊経済連合会 (https://jief.jp/)
特別協力 イタリア上院第9委員会(工業、商業、観光、農業、アグリフード)委員会
共催 CREAイタリア国立農業研究・農業経済調査機構 (https://www.crea.gov.it/) / CIAイタリア農業連盟 (https://www.cia.it/)
後援 イタリア上院、経団連
Special Thanks 明倫国際法律事務所、株式会社旭工務店、The Chamber of Commerce Italo Orientale(イタリア東洋商工会議所)